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ザン×ユイムまとめ 新婚、初夜、日常

  • 執筆者の写真: 鴉月語り部
    鴉月語り部
  • 2020年4月10日
  • 読了時間: 11分



執筆日2020年頃~



寝所で向かい合って彼女が私に頭を下げる


「ふつつか者ですが、よろしくお願いしますわ」

「頭を上げよ、そんな畏まらなくて良い」



笑顔で私を見る彼女に自然と微笑みがな

彼女の顎を指で触り


「…包帯、外しなさい

私の前ではしなくて良い

片目であること、引け目に感じるな


「…初夜ぐらいは、見せない方が良いと思ったの


悲しげに微笑み外す


ユイムを押し倒すと彼女が目を見開いて恥じらう


「あのっ…」


彼女が隠す右眼を見ようと手を取る


「やっ!やだ…見ないで」


「隠すな、私の妻よ」

彼女の頬に手を当て見つめる

…痛々しいな


「私も、ベヒモスにやられた傷があるからな

お揃いだ」


瞼に口付けると


「慰めてくださるの?

ありがとう、ごさいます


その…見つめられると、流石に恥ずかしいのですわ」


「ユイム、私の妻になるのだぞ」


「ん…そう、ね」



―あの頃と同じように、いやそれ以上に唯舞に惹かれていった


「あなた、見て見て!

綺麗な景色」


笑う唯舞が愛らしくて


「…唯舞、これを」


月下美人の花を君に


「まあ…綺麗

これを、私に?


勿体無いくらい綺麗

私に、似合うかしら」


赤らめながら喜ぶ彼女


「…君に、最も似合うと思って

昔と変わらない

むしろより一層美しくなった君へ」


彼女のさらさらした艶やかな髪を掬い口付ける


「唯舞、私の最愛の妻」


―彼との日々は楽しかった

私の心の傷を癒やしてくれた

だから私も

貴方の力になりたいの


「ザン様、」


「唯舞」


微笑む君が好きだ

私の


クレハができてから、唯舞は息子を溺愛した


「…少し、複雑だぞ

唯舞が構ってくれん」



二回目に本当に夫婦になった時、お気に入りの話。


ユイムを妻にして、幸せ有頂天だった

クレハが産まれるまでは隣で仕事していたからな…


新婚夫婦、飛べないユイムは補佐の娘に引かれて飛んでた


周囲は私達を冷やかす


「良かったねぇザンちゃん、毎晩嬉しいんじゃない?」


ヴァローナ姫は言う


「まあ、姫様ったら

その…夜の方は、とても熱くてアレなのですわ…

ザン様ったら…あんな事されちゃ、身が持ちませんのよ」


「いない時に言え!!!

そもそも初夜以降は抱いてな…」


(馬鹿、誘ってんだよ

ユイムは不安なんだよ…ザンちゃん

捕まえとかないと離縁されちゃうよ?)


ヴァローナ姫が言う


飲み会で酔っ払うし…私もかなり酔わされた

ユイムが注ぐから断るに断われなくて


紫はニヤニヤして眺めていたが、星はキサラや姉妹たちを連れてウーヴェ殿の部屋で過ごした


「…ユイム、それ以上飲むな

お前は毎回暴れて出禁されただろ」


アガレス様とヴァローナ姫が既に暴れてるけど


おいおい、私に甘えてきたぞ


「抱っこ」


「父上、そろそろやっちゃいな

今夜は朝までお仕置きだぜ…ハーイごめんなさいもう言いません」


茶化す紫にスレスレで刀を飛ばしておいた


「…部屋に帰るか」


―廊下で、頬にキスをしてくるから


あの時みたいに、ユイムについてキスをした


「…今回は、成功したな」


「懐かしいわね…二人の殿方に取り合いされて、身に余る光栄でしたわ


ザンちゃんチューしよー」


「ユイム…」


おいおいここで甘えるな


湯あみは、どうする

また入るのか


「入れて?」


「…初めてだぞ、どうなっても知らんぞ

先に入ってるから、すぐ来なさい」


…正直、期待が止まらん


タオルも巻かずに入って来て、私が倒れたぞ


「あら、ザン様

風邪ひきますわよ」


先に浴びて、私を起こして


「ねぇザン様、どうして私に触れてくれないの?

旦那様には、私を知って欲しいのよ


恥かかせる気?

これ以上、仮面夫婦って言われたくないわ

ザドウの家臣にはそう見えてる…」


「…私だってなぁ、お前のこと何百年妄想したと思ってるんだ

いざ手に入ると、それだけで幸せなんだぞ


…お前を知る度に、独占欲がな

ウーヴェ殿に、勝てる自信が」


「馬鹿、貴方は貴方の良さがあるのよ

しっかりなさいな…武力も収入もお家もあっちの方も勝ってんだから自信持ちなさいな


むしろ、私が嫌いなのかと…家柄だって、悪いし

子持ちだし…財産目当てだって

貴方の優しさに付け込んだって…


烏じゃないから、ザドウの家臣も反対してる」


とんでもない格好で延々と語り合ったな

下は見ないようにしてたが


「私は!お前以外は妻にする気がない…

マノヤがいたら二人共愛したが、一番はお前だ

ずっと、お前が欲しかったユイム…

今宵、改めて我が妻になれ」


抱き締められ、口づけをされたわ…


「…二人で嫁ぐの、悪くなかったわね

あの子はベヒモス殿と、結ばれたのでしょうけど


まあ、嬉しい…ずっと待っていたのよ…

貴方に、心から愛されるのを

アガレス様達も焚き付けてくれたし」


「…勉強したんだがな、自信が無い」

「フフ…こうしてくださります?」



―部屋に運ぶと、彼女をエスコートし首筋や胸元に誓いを


「あら、狼さん

嬉しいわ」


「止まらんと言っただろう…」


甘く、甘く愛されたわ…

素敵…


「…ザン様…

素敵よ


「…愛しているユイム

頻度はどうしたいのだ」


「毎晩、でも構いませんのよ

貴方に愛されるのが女の幸せ…

いつでも」


「そう言われるとな…毎晩でも愛したい

というか、まだ続けて構わんか?」


「お願い…ユイムの全てを奪って?」


―本当の夫婦になった気がするわ


「…ザン様…好きよ、愛していますわ

私の素敵な旦那様…」


「…ユイム、ユイム…

我が愛おしい妻よ、叶うなら永久に我が元にいてくれ…」


「フフフ…あなたったら」


――――いれる時はいつも一緒だった

家臣は減給や地上送り処分にしてた


「…我が妻を侮辱する奴は許さん

レイウは部族統一した証で誉れだ

コルウス様なら、身分や血統なぞ気にせず妻にしたはずだ」




――――眠る彼女の着物を整え布団に寝かせ、寝顔を眺めた


「瞳…痛々しいな

お前の美しい瑠璃の瞳」


髪を愛で


実は大和撫子な黒髪も愛でたかったぞ…あの時は我が物ではなかったが


首筋に口吸いの痕を残す


「ん…あなた」


「数分寝てたなユイム

そのまま寝ておっても良かったが、お前と話がしたかった」


手を絡ませ唇を撫でた


「ん…なぁに」

「地上で親しい身内が亡くなってな…

弔いに墓参りに行かないか、天上の方になるが

マノヤ達の墓にも」


マノヤが…本当に亡くなってな


「…そうね、私も

最近、何か喪失感があって


あなたのお陰で、大分心の傷は癒えましたわ

クレハもヤツルギも、可愛い私達の息子」


「私も、お前がいたから救われたぞ…

主君に弟…自刃するつもりだった


喧嘩ばかりしおる、次は女子に恵まれたいものよな

男児でも構わんが」



「…そうね


…寝落ちたなユイム

可愛らしい妻だ


―歳を重ねても本当に美しい妻に時折ゾッとする

絶世の美女

傾国の美女

月の天女は惑わせる…わかる気がする


…やはり私も彼女に狂いそうだウーヴェ殿

鳥籠に捕まえて独占したい

私も分かるぞ



【ザン視点】

新婚


そうだよな同じ部屋で寝るのは当然のこと…


自邸以外で交わった事が無かった

今回は夫婦になって初めて王城の自室に招く


「お邪魔します…じゃなくて良いのよね」


「ああ」


ユイムは落ち着かんようで少しソワソワしている


彼女を紛らわせようと微笑み手招きした


「おいでユイム

君の部屋でもあるのだから

好きに使いなさい


君の私物も置くといい」


彼女を椅子に座らせ頬を撫でた


「…ユイム、私の妻よ

君の為に月下美人を飾らせた

気に入ってくれると嬉しい」


隠していた花を彼女に贈る


「まあ嬉しい…ザン殿、貴方ってとても優しいのね

ロマンチストは好きよ」


彼に負けないロマンチストにでもなろうかな


―彼女の後に私も湯浴みに入り

気合を入れてきた

ここが勝負どころだ

ザンノムンラージャキサナドゥ


バスローブで出て行きユイムを後ろから抱き締めた


「ザン殿、長かったから心配して…」


「…ユイム、ベッドに君を運びたい」


私の意図に気付いてくれるだろうか


「まあ…

あのね、ザン殿

…お恥ずかしいですが、本当に構わないのかしら」


「構わないよ

むしろ今夜は此処で君が欲しい」


ユイムの指を絡め手の甲にキスをする


「そう…わかりましたわ

連れて行って、愛しい旦那様」


いかん

私の気持ちが昂ぶる


「…愛しいユイム」


ムードは作った


「あ、待ってザン殿


「なんだ」


【ユイム視点】

彼はネクタイを外し衣服を脱いでいく


「…ユイム、どうやら君は身の程知らずのようだな

私に付き合って欲しいから意識を飛ばさないでくれよ

毎晩でも抱けるぞ」


「ザン殿、怒ってる…

さっきはちょっと世間話で若い殿方を褒めただけじゃない

貴方の弟みたいで可愛らしいわね、って話なのに」

  

夫をなだめると彼に抱き締められた


「きゃっ!

やっ…スケべ」


「んっ…ザン殿ったら子供みたいよ」


「…嫉妬してるんだ

男はいつまでも子供、らしいな」


ザン殿、素敵


「…やめないで、もっと」


「…そういえば雄と戯れていたなと

お仕置きが必要かな」


意地悪く笑う


「性格の悪さが顔に出ているわよ、スケべな長官

今日はお仕置きされてあげるからいじめて頂戴」


腕を回しキスをする

ああザン殿、貴方は私の旦那様よ

貴方とするのが私の楽しみなの


ニヒルに笑う彼


「こんなに待ちわびて

いけない女だ」


「だってザンさんが…最近お上手なんだもの」


やだわカッコいい


「もうっ、焦らさないでっ…!意地悪!」


「すまんすまん、君の御強請りが聞きたかった」


からかって私の頬に口付けるんだもの、小憎らしい男ね


――――【ザン視点】

妻が美し過ぎる

見ていて飽きん


髪を結った彼女も下ろした彼女も

全てが美しい…


同時に湧き立つ嫉妬と不安


「…綺麗だ」


「何が?」


くるりと回り着物を見せる彼女


「着物も美しいがお前が一番輝いておるぞ


「まあ嬉しい♪

おだてても何も出ないわよあなた」


ユイムが私の唇にくちづける


「…行ってらっしゃいあなた


夫が地上に遠征があるので三日三晩愛されている


「ハァハァ…ザン殿、もうゆるしてぇ」


「…む、すまん

そろそろ食事の時間だな

休憩しようかユイム」



「あっ…ザン殿」


彼に色々凝視されている

慣れてるとはいえおやめなさい!


「…厭らしいな

が、お前はどんな姿でも美しいよユイム」


彼に水を渡され溜まらず飲み干した

残りを彼に渡すと彼も口に含む


「ん…ザン殿

まだザン殿の感触がする」


彼は勢いよく水を吐いた


「ゲホッゲホッ!

…お前な、誘っているのか

まだ誘うのかユイム…お前意地が悪いぞ」


まだ元気な彼は私に近寄るからシーツを被る


「きゃっ!

今日はもうダメ、せめて続きは夜にしてっ!」


ザン殿が私を抱き寄せて頭を撫でる


「夜か…

そろそろ君を帰さねばなるまい

今日も泊まるなら、私は寝所で君を離す予定は無いぞ」


「…次は、いつ逢えるの

暫く地上に仕事があるの

貴方と離れなければならないのよ」


「なにっ!?

ならば、私も地上に…

いや、きっと引き離されるな


任務までは天上の邸に泊まりなさい

まだお前と重ねたい」


きっと子ができるわね、貴方に似た子が何人でも欲しいわ…

だって私は愛おしい貴方の妻ですもの

もう少しこのままでいさせて…


ハァオイゲン様…本当に素敵

妻が亡き父の像や肖像画を見てうっとりする


はっきり言おう気に食わん


「…ユイム、お前それ浮気だぞ」


「あら、お父上を褒めて貴方が喜ぶべきでしょう

オイゲン様ハンサムなんだもの

貴方にそっくり」 


「…お前が他の男を褒めるのは面白くない」


_痺れを切らし


_「ちょっとぉ…ザン様、近過ぎるわ

今カルタの練習してるの邪魔しないで」


「私とすれば良かろう」


背後から抱き締める腕をユイムが持ち


「もうっ、貴方相手じゃ練習にならないでしょう

勝てる速さじゃないのだもの」


「…では歌の読み合いはどうだ」


_カルタ本番


(はっ、オイゲン様…

オイゲン様だけは取りたい、でも傷つけるわけには…)


「…ユイム、迷ったな」


「意地悪~、私が取りたかったのに」


(ならば私のカルタと父でどちらを取るだろうか)


「オイゲン様…」


「…一秒父の方が早かった

面白くない」


「あなたのカルタも取りたかったわ

私、いつもあなたを目で追っちゃうのよ」


「…ユイム、寝所に参ろう」


彼女を抱きかかえ、寝所に連れて行く

寝転ぶ彼女に口付け


「…父が好きか」


「そりゃあ、私の憧れで尊敬する方ですし

貴方のお父様だもの」


「妬ける

私じゃ父に適わんのか」


「そういう次元じゃ無いでしょうに

貴方は貴方、お父様はお父様」


「…ユイム、私はお前を独占したい

心も体も…私を思って欲しい」


_しかし、誰だユイムに馬鹿な事ばかり吹き込んだたわけは


「…我妻に吹き込んだ愚か者は誰だ

子作りだの跡取りだの男児と女児だの…

あれは変に生真面目ゆえ、そそのかさないでいただこうか」


「はい、…恐らく奥方達と元老院達ですよ兄様


「…ユイムは昔から世間体を気にするタイプだ

だから私との婚姻を何度も拒んだ


思いつめて体調を崩されては適わん」


_月の髪が美しい

不死の化物め、裏切りの証

罪の証…


「はぁ…」


ダメね、私

心読むんじゃなかった


「…月の髪、やはり隠すべきなのかしら」


水面に映る髪を見て溜息

髪を結っていると夫が花を飾ってくれた


「…花を、飾るといい

君に相応しい月下美人を」


「お帰りなさいあなた!」


「髪結いで悩んでいたのか?」


「ええ、ちょっとね…

これ、どうしたの?」 


「今日は初の記念日だからな…君に贈りたくて」


「ありがとう、ザン様」


「うかない顔だな

そろそろ天上に帰ろうか、ウェリナ達にも会いたいだろう」   


「あ、あなた

まだご挨拶回りが…」


「祖父と叔父に挨拶したんだろう?

他の親族は捨て置け

後はほとんど他人だ」

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