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新月神話伝スピンオフ
​※陰鬱、近親相姦描写あり
第一部はとにかく暗いですが、二部以降は明るいです。

黄泉創世篇(黄泉比良坂家の呪噺・序章)

【あらすじと本編】
○○という罪人は無実の罪で裁かれ怨み事を吐きながら黒い血を流して死んでいった。
それからその罪人は黒血(こっけつ)と呼ばれるようになり、
その息子は地味で目立たないが仲睦まじく、夫婦には四男二女がおり
名を牛刻、八刻、黄昏、逢魔、終宵という
つい最近末子の奸邪を生んだばかりであった。​

ある日暴漢に遭い夫婦は無残に殺害され赤子を抱いた黄昏は弟・逢魔に赤子を託し先に逃げるように彼に懇願した。
暴行を受けようとして初めて彼女は人を殺め気が触れてしまった。
黄昏は頭を棒で殴られ死亡し死者として彷徨った。
この時代はまだ生と死が分かれておらず共に暮らしていたので誰も幽霊である彼女を気にも留めず視界にすら入らなかった。
しかし逢魔だけは彼女を見つけ出し感知する事ができた。

時は流れ逢魔は計都王付きの文官として出世し自邸を構えていた。
亡者である姉の黄昏と表向きは逢魔の小姓として働く巫女・奸邪。
黄昏の辛い記憶を呼び起こさせない為に逢魔は最大限彼女に配慮し箱庭のような邸に軟禁していた。
奸邪は実妹だと名乗ることを許されず、いつか家族としてまた全員で暮らせる夢を見た。

長兄は羅睺女王に仕え、妻におびただしい火傷の傷を負う女・命命鳥カルダを迎えていた。
牛刻と八刻と逢魔、彼らはそれぞれ別の道を歩み逢魔は二人の兄に激しく憎悪を燃やして暗躍していた。
姉と自分を見捨てた二人の兄が憎い、いつか彼らに報いを受けさせてやると…

ある日逢魔は妻を娶らねばならぬようになり、未だに彼の心に居座り続けるのは憧れの黄昏媛
魔が差した逢魔は毎日記憶を失う彼女に対して「吾は貴女の夫である」と言ってしまい、暫く黄昏媛との夫として振舞った。
二人の関係を知らなかった奸邪は黄昏が子を宿しているのに気が付き逢魔を心底憎んだ。
長兄は二人の近親婚を見て見ぬ振りをし、次兄は二人を低俗だと嘲笑った。
いつか家族で暮らそうとした夢は潰えてしまった、たった一人の愚かな兄のせいで。

奸邪は黄昏を取り戻そうと逢魔に決闘を申し込み互いに闇討ちする算段だった。
しかし逢魔の「家族として、妹として愛していた」という言の葉に一瞬騙され奸邪は心臓を貫かれ瀕死の状態となった。

「汝の血、呪われリ…我、汝の血を絶やすモノ」

彼女が最後に放った呪いは逢魔の血全てにかかり、何千年後も続いていくのであろう。
それは当然赤子である金毘羅にもかかり彼の血も呪われる。

逢魔は既に牛刻と八刻に謀反の疑いをかけ殺害、牛刻の男児らも殺害し妻のカルダは毒殺した。
幼かった長女迦楼羅だけは息子の伴侶にする為に養女とする。
元々病に侵されていた四の君・終宵は決闘前に奸邪に喰われる事で血肉と能力を提供しており死亡。

黄昏は生まれた我が子を抱いた時に幼かった赤子・奸邪を思い出して全ての記憶を取り戻し、同時にいつも傍にいた夫が実の弟であった事を思い出した。
己の罪を嘆いた彼女は黒血刀で自らを貫き自害してしまった。

全てが終わり兄らを処刑した事で地位も名誉も手に入れたが失ったものは己以外の家族。
最後に隣にいるのは黄昏だと思っていた。最も愛した黄昏媛だけは傍にいてくれると…

逢魔は一人邸で黄昏によく似た赤子をあやす。
「黄昏によく似たお前に栄光を掴ませてやろう
泣くな、泣くなというに…」
息子を覗き込むのはまだ幼過ぎる姪娘・迦楼羅。

いつかこの男女は夫婦(めおと)になるだろう、そして孫を生み子孫を増やすであろう。
その時までこの呪われ腐りゆく肉体でも生きねば。

【第二部】
迦楼羅と金毘羅、奸邪の遺体から生まれた逆女らの世代。
シリアスだけど三人のラブコメ?

【第三部】
孫世代
二女と呪われた三つ子(那由他・毘紐・浄居)らに恵まれる。
最終的には逢魔の反乱と刑の話でこのお話は終了します。
三つ子らの活躍が大体インド仏教・神話創作なのでそちらはかなり長編になりますね。

最終的なテーマは複雑な家族愛のお話だと思う。
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