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塔の赤ずきんと王子サマ

  • 執筆者の写真: 鴉月語り部
    鴉月語り部
  • 3月8日
  • 読了時間: 5分

【前書き】

執筆日 2020/12/28

ベリト目線のお話


登場人物 

ベリト、ベルジェリカ、ミトラ、ウーヴェ


赤ずきんの男の娘が同性に片想いしてる話なので苦手な方は注意…!

狂愛とギャグ?

ちなみに王子の性自認は女性なので一応BLでは無いです。




 ベリト王子は王城の東塔に隔離されている末子

彼は自ら外に出ることを拒んだ

行事すら陰で覗く程度だったので、12の神々すら知る者は少なかった



何故なら情緒不安定で気が触れており、その怪力を抑制できないから

大好きなお母上と離れたくないから

自分に自信が無いから

父がいつか迎えに来てくれると信じていたから




――――ワタシは塔で待っているの

いつか、ワタシを連れだしてくれる王子サマ…


塔の地下がワタシのお部屋

牢獄みたいに薄暗いノ

ホラー風味はお母サマの趣味


お父サマはオバケが大の苦手だからあまり近寄らない、お母サマはそれ狙いだって

うち、『家庭環境が最悪ですね』って児童相談所で言われたノ

根暗な叔父ウヤはよく好んでこの地下に来るけど


「女の子の部屋に入ってくんじゃネーヨ!!!」とたまに追い出すわ

半泣きになるのは、彼が連れているサミちゃんの方だったけどネ



ミトラは気に食わないわ、あの女…

みんなにいい顔して、気に入られようとしている

そんなにジブンが可愛いのカシラ

叩いたらあの女、思いっきり泣いて平手打ちしやがったワ…



ワタシの方がカワイイわ

だってお父サマとお母サマによく似たのはワタシだもの


ある時、ワタシに王子サマが現れタノ

仮面をした背が高くてスラッとしたステキな紳士!


アナタは何故ワタシにも優しくシテクレルノ?


「…貴方が寂しいと思って」


笑顔で帽子を外し、彼はワタシに触れたわ

彼は時々塔に遊びにくるの


ワタシのオトモダチ、スカーレット姫ことキサラを連れて来てくれるの

キサラは大好き

斧での遊びを教えてくれたり、ニンゲンの死体の味を教えてくれるわ



「……あの、ベリトちゃん

これ以上ヤンデレ属性はちょっと……ただでさえ、貴方は男の娘属性で十分個性的なのだから」


お母様はちょっと困ってた


「お母様!ボク、好きな王子サマができたの」


お母サマは、またミトラを撫でているわ

あのクソアマ、独り占めする気なのカシラ


「……まあ、それはだぁれ?

同い年の星くん?」


秒で首を振るわ


「ソイツはキサラの奴隷だから要らないワ」



「そ、そう……じゃあ、アガレスくんやサミちゃんじゃないよね……

兄弟BLはちょっと……」


お母サマはBLが地雷だソウヨ

それで根暗ウヤと揉めたそうナノ



「ううん、そんな低レベルの雄烏は眼中に無いワ


ワタシの王子サマは

あの鳥ヨ」


彼の絵を描いて、お母サマに見せるノ


「まあ、すぐわかったわ。 仮面の紳士さんね

あの方、面白いものね……」


「ベリト!!! 彼はわらわが先に好きになったのよ?

また姉の真似をする!」


煩いクソアマ……

お母サマのお部屋は、オマエが入ってイイ場所じゃないワ

ワタシと違って、上の3兄弟は養育係に育てラレタ

ワタシだけがお母サマに育てラレタ特別な末っ子ナノヨ


「……まだいるのかよクソビッチ、オマエはとっとと地上に堕ちてバッカGOの嫁にでもなってろ」


低音小声でミトラに喧嘩を売るワ


「なんだとこの愚弟!!

お母様!今日こそこの者を地上に嫁入りさせましょう

お前がバッカGOの嫁になるがいいわ!」


ミトラの奴、半泣きでかかってくるワ


「おやおや姫君、可愛い顔が台無しですよ」


来たわ!

ワタシの王子サマ……



仮面の彼はミトラとワタシにいつもお菓子や花、新しい玩具をくれるの


「ぐすっ、ウーヴェぇ……だって、この愚弟が


「湖の姫様、赤ずきんの姫様も

きょうだいは仲良くするものですよ」


ミトラの奴、そうやって彼に泣きつけば優しくしてモラエルと思ってるのネ

でもワタシの勝ちヨ

彼はミトラより、ワタシの一番近くにいてくれるノ


ねえ、どうして

ワタシの側にいてくれるの……?


彼は去り際に

こう答えたわ


「……貴方の魅力を誰よりも理解しているからですよ

黄金の力を持つ、可愛らしい悪魔さん」


彼の為に、この能力を使うの

金属を黄金に変えるチカラ

彼が喜ぶカラ


万年金欠で借金地獄の彼は、ワタシとミトラのホスト

キサラの奴隷でなんとか生活してるそうヨ


彼の手を握ると彼は頭を撫でてくれるの


「……でもネ

本当にワタシが欲しいのワ

お父サマの、愛が欲しいの……


どんな形でも、良いの

ミトラじゃなくてワタシを一番に見てホシイ……

ワタシが女の子だったら、きっと一番愛してくれるハズだったノニ


ワタシは女の子になりたいノ

神サマは意地悪ダワ


「……貴方は、そのままで良いのですよ

きっとわたくしがいつか、貴方にとっておきのプレゼントをあげますからね

お父様と一緒に遊べる面白い玩具をね……」


そう言って彼は仮面を外し、ワタシにお休みのキスをしてクレルノ

子ども達にみんなにするから、この前PTAに訴えられていたノ

ロリコンショタコンの前科があるカラだって


「そんな職員雇う時点で烏王も切羽妻ってんだろうな」

って、ゲオとベヒがいってタワ……

オマエらみたいなノ雇う時点で切羽詰まってるのガ、ワカラナイの?


「嗚呼、ウーヴェ……!ステキよ

貴方が死んだらワタシが残さず喰ってアゲル……

ううん、首だけは残しておきたいノ……アナタといつでもお話しできるヨウニ」


去った彼をいつも名残り惜しく思うワ

彼はキサラの奴隷(ベビーシッター)……

誰だか忘れた嫁がなんかいた気もするけど、不仲だってキサラが言ってタ



願いは本当に叶ったワ

それはまた別のお話……ウフフフ……♪




【あとがき】

ベリトは情緒不安定なので一人称や口調がよく変わる

年末に書く話じゃない気がするけど、

気が狂った子の視点って難しい……

ちなみにギャグ漫画だと全員ある意味狂ってるようにしか描けない。

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