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紅葉賀お嬢様は大和撫子でお年頃

  • 執筆者の写真: 鴉月語り部
    鴉月語り部
  • 3月8日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月21日

【前書き】

ザドウ家の日常、一応政治的な婚姻の話なんですが……


 紅葉賀(もみじのが)

待望の大和撫子でザンにとっては唯一の娘である。

父によく似た黒髪混じりの緑髪を持つ彼女は堅苦しい口調まで似ていた。


兄・紅葉とよく似た名を持つ彼女を母である唯舞は大層彼女を可愛がった。


「ガっちゃん、ガッちゃん」


「母者、その呼び名は可愛くないでござるよ~……

本名がガジラとかだったら拙者涙目でござる」


「お兄ちゃんのクーちゃんと紛らわしくないように考えたのよ?

その前にガッちゃんはもうちょっとこう……口調をね、折角可愛らしい見目をしているのだからこう。

NINJA、SAMURAIじゃなくて姫武者スタイルでいくのはどうかしら?」


特撮ものに出てきそうな煌びやかな衣装を選ぼうとする母をさりげなく断る。


「俺と名前被ってる……故に某(それがし)は不要」


ぶつぶつ独り言を言いながらいじける兄


「拙者と兄者は名前もキャラももろ被りでござるが、名付け親は誰ぞ?

間に剣の兄者が来るのでこれまたバランスが悪いでござ候」


紅葉(くれは)、八劔(やつるぎ)と来て紅葉賀(もみじのが)だ。


「なんで八劔が八なの?次男じゃなくて八男なの?」


今更ながら紅葉が疑問に思った。

もしかして自分は長男では無いのであろうか母の八番目の子とかそういう意味でござろうか。


「あら貴方達お父さんとお母さんのネーミングセンスに不満かしら?

お父さんなんて最初正義(まさよし)、正義(ジャスティス)って名付けようとしたのよ。


クーちゃん、貴方『坐導 正義(ざどう ジャスティス)』だったらどうするの?」


「ジャスティスはちょっと……」


――――紅葉賀の婚約者


「結婚したくないでござるー

婿殿たちが五つの難題を持ってくるまで拙者此処を動きたくないでござる~……」


「ガッちゃん、かぐや姫みたいな事言わないの

お母さんも娘達を手放したくないけど、この時代結婚して所帯を持つ事が女の喜び……とは一概に言えないわね

烏族はキャリアウーマン多いから、かつてお母さんもそうだったわぁ

懐かしいわね」


母は元々は烏だったが一度死してビフロンスの炎で蘇生されたから異なる種族になってしまったらしい。


「紅葉賀、叔父上からお前宛てに大量の貢ぎ物が来ておるぞ」


「まあ、またあの方から?

あの人ちょっと異常よ……この子はまだ14歳なのよ?

中身が30越えてようが肉体年齢が幼いのだからこれは立派なロリ婚よ犯罪よ。

ガッちゃんは私達が900歳越えてからの子なんだからどれだけ年齢離れてると思ってるのよ……」


「拙者もあの叔父さん苦手でござるよ~……

目つきが完全に性犯罪者のソレだったのでゴミを見るような眼で見たら余計に喜んだでござる。

ヤバいでござるキモイでござるマジムリ。


あれは完全に拙者を下卑た目で見てるでござる、女の勘よ。」


「いやあぁぁぁぁぁぁ!!?

私の娘を変な目で見てるなんて耐えられない!」


「衣と紅を送って来て口説き文句まで添えてあったでござる、完全にアウトなやつでござるよ……

健全な男子が女人に衣を送るのは脱がせたいから、紅は唇を狙っているからでござる。

拙者いま自分で言って引いてるでござるからな。」


「紅葉賀、母さんがアレルギー反応起こして卒倒してるからもうよしなさい。」


倒れた妻を抱えながら何食わぬ顔で新聞を見ているがザンも普通に引いている。


「あの方、どうしてこうも私達の娘に拘るのかしら……

ザドウの女子ならアユラ様の生まれた子の方が純血のはずなのに」


「……やっぱりホモなんだろうな」

「え???」


夫からとんでもないワードが出てきてついていけない唯舞さん。

何故そうなるの?

確かに彼はこの1000年間で女性の噂が一切無いけども……


「真性の幼女趣味なのね、きっと。

光源氏計画だわ」

「え?え?」


女性口調で話すガッちゃんに驚いて頭がついていけない唯舞さん。


「遺産目当てでくたばるのを待つぐらいしか無いでござる」

「あっ、いつものガッちゃんだ……

お母さん安心したわぁ」


【後書き】

年の差とか倫理的にアウトなカップリングばっか書いてると誤解されそうですが、作者は別に趣味ではありません。

なんか古代神話の風習漁ってたらそういうカップリングが多くなったような。

エジプトだと大伯父と孫娘並みの婚姻があったりする。

補足しとくと嫁いでもすぐ関係を持つわけじゃないよ。適齢期になるまで待つんだよ。

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